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三体 劉慈欣

衝撃、驚愕、度肝を抜かれるSF小説

はやく続きが読みたい!

この小説を読んだ人は皆そう思うのではないだろうか?

とにかく読ませるストーリーテリングの巧みさ、必然のあるサイドストーリーと細部のリアリティ。一癖も二癖もある魅力的な登場人物たち。

本格的なSFとして、膨大な科学の知識を詰め込みながらも、やってくるのは科学的にあり得ない展開

そして、そこにもたらされる驚愕の回答。

発信されたメッセージ

文化大革命に父を殺され、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』に啓示を得た天体物理学者、葉文潔(イエ・ウェンジエ)。

人間がしでかす悪の行為に絶望し、人類を道徳に目覚めさせる手段として、彼女が極秘プロジェクト中にとった行動がすべての始まりである。

それから四十数年後。

物理学の最前線にいる科学者たちの自殺。

「物理学は存在しない」という謎の遺書。

今は戦争中であると語る陸軍少将。

「そう、人類の歴史全体が幸運だった。石器時代から現在まで、本物の危機は一度も訪れなかった。われわれは運がよかった。しかし、幸運にはいつか終わりが来る。はっきり言えば、もう終わってしまったのです。われわれは覚悟しなければならない」

この緊急事態(何が危機なのか全然わからない)に対応する重要な会議に呼び出され、ある依頼を受けた、ナノマテリアルの研究者、王淼(ワン・ミャオ)教授。

この人物が、数々のぶっ飛んだ体験をしながら物語を前へ進めつつ、専門的で何を言っているのかわからないレベルのところから、読者向けに一段階引き下げる役割も果たしてくれている。

基本的に我々は彼についていくことになるのだが、さらにもう一段階引き下げてくれるのが、特にクセのある人物で私のお気に入り、史強(シー・チアン)。この警察官が全く別の視点を持ち込むことで、難しくなり過ぎるのをうまく中和してバランスをとっている。

図体も態度もでかく、いかつい顔つき。言動も下品。しかし、ずば抜けた洞察力を持ち、時にとんでもない名言(らしきもの)を吐く。なんとも痛快。この男が出てくるパートになると思わずニヤニヤしてしまう。


科学的にあり得ない。その理由とは

『三体』はある意味、理論だけが先に進み過ぎて、実験で検証することすら困難になった分野の話を、ストーリー仕立てで面白おかしく語ってくれている、と思えないこともない……。

以前から個人的に感じていた、科学の最先端ともなるとあまりにもスケールが大き過ぎて(あるいはミクロ過ぎて)それはもはや科学というより、超常現象の領域なのでは?という疑問。

この問いに答えてくれるかどうかはさておき(期待大である)、唖然とするような衝撃の展開の連続。あまりSF小説を読まない人間でも、絶対楽しめる内容であることは間違いない。

第一部でこんなに面白くて今後大丈夫か?と思いつつも、不安よりも期待が大きい。


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